お仕事をしているとお客様から、前回のモニエル瓦の塗装はすぐに剥げてしまったと聞く事が、残念ながらございます。
今回は、モニエルの正しい施工に関してお話させてください。
モニエル瓦の塗装が剥がれてしまう原因は主に、経年による劣化と適切な下地処理が行われていないことにあります。この問題を解決し、長持ちする塗装を実現するには、正しい下地処理と塗装方法の適用が必要です。
劣化した着色スラリー層の問題
モニエル瓦は、セメント質のスラリー層とその上に塗られたアクリル樹脂のクリア層によって美観が保たれています。
しかし、このスラリー層が酸性雨や酸性ガスによって劣化し、チョーキング(表面の粉化)現象を起こすと、塗料の密着を妨げ、剥離の原因となります。
正しいモニエル瓦の塗り替え方法
1.高圧洗浄:高圧洗浄で表層の劣化したスラリー層を可能な限り取り除きます。これにより、塗料の浸透と密着が向上します。
2.乾燥:高圧洗浄後は、瓦を十分に乾燥させます。これは塗料の密着性を高めるために不可欠です。
3. モニエル瓦専用下塗りを使用:モニエル瓦専用の下塗塗料を適用します。
これがとても大切です。
これは劣化したスラリー層を固め、塗料の密着を向上させるために重要です。
2~3回、場合によっては4回塗布し、表面を濡れた感じにすることで、下地の補強を行います。
モニエル瓦専用のスラリー強化プライマー
施工写真
スラリー強化プライマーを塗布し、中塗りを塗った後のお写真です。
4.仕上げ塗装:下地の状態が整った後、屋根用の弱溶剤シリコン、フッ素、無機塗料で仕上げ塗装を行います。これらの塗料は耐久性が高く、モニエル瓦に適しています。
5.剥離チェックと対処: 各工程後に塗膜の剥離チェックを行い、もし剥離が見つかった場合は、周囲のケレン作業と再塗装が必要になります。
これらの手順を踏むことで、モニエル瓦の塗り替え時に塗装の剥がれを防ぎ、長期間にわたり美しい外観を維持することができます。
重要なのは、適切な材料の選定と、正確な下地処理を行うことです。このプロセスを怠ると、再度塗装の剥がれを引き起こす可能性があります。